● ご飯に炊き込む・かゆにする・餅にする
雑穀のいちばん簡単な料理法は白米や分づき米に混ぜて炊く方法です。
最初は5%程度混ぜるところから始めます。
1〜2割入れると誰にも喜ばれるご飯になります。慣れてくると半々ぐらいで炊いたものもおいしいです。
1割程度なら、とくに雑穀の分は気にせず、いつもどおりに水加減して炊くだけです。
たかきび、ハト麦、大麦、ライ麦は、かたいので一晩水に浸けてから一緒に炊いたほうがうまく炊けます
(玄米と一緒に圧力鍋で炊く場合は、水に浸けなくてよいです)。
米3カップに小さじ3分の1の自然海塩を入れて炊くのがおいしさアップのポイント。
ゴマやエゴマは煎って半つぶしにすってから醤油3分の1カップと一緒に3カップの米に
混ぜて炊くと香ばしいご飯になります(ゴマめし)。
次がおかゆです。
6倍から10倍の水と自然海塩ひとつまみを入れてかゆに炊き込むのも、手軽な利用法です。
かゆの場合、雑穀だけでもおいしくできます。
次に手軽な方法は、一晩水に浸けてもち米と一緒に蒸かして餅をつく方法です。
昔は雑穀だけで作ったそうだが、現代人にはちょっと食べにくいので、
雑穀4対もち米6の割合が色もきれいで個性的ながら食べやすい餅になります。
雑穀を混ぜて炊くと白米が玄米に早変わりします。
雑穀の繊維やミネラルが白米を包み込んで取り去られた皮の役目を補ってくれます。
ヒエ(白米)5:麦5:アワ2の割合で炊いたご飯が、日本一体格がよく頑健な男がいると
折り紙つきの岩手県北地方の日常食だったという(三穀めし)。
● 炊きあげて料理素材として使う・野菜と一緒に炊く
それぞれの雑穀をきっちり炊きあげて、その個性的なおいしさを素材に料理を工夫してみます。
アワとヒエとキビ、粒ソバと押し麦とアマランサス、たかきびとハト麦と大麦は、
それぞれ同じ方法で炊くことができるので、しっかりマスターしてしまいましょう。
それぞれの特長をつかんでしまえば利用法は無限にあります。
ヒエともちキビは、ご飯代わりにいなりずしやのり巻きにすると、新鮮なおいしさが楽しめます。
野菜などの具を入れ、味付けして炊いてしまえば炊きあがりと同時に料理が出来上がるので
忙しいときにはこの方法が便利です。
水加減によってピラフからシチューまでさまざまなおいしさを生み出すことができるので、
ぜひ創作にチャレンジしてみましょう。
● アワ、キビ、ヒエの炊き方
(材料) アワ か ヒエ か キビ 1カップ
水 1.5〜2カップ
塩 小さじ4分の1
- 雑穀を大きめのボウルに入れ、水を注いでかき混ぜ、浮いてくるゴミを流しながら洗います。
- 細かいザル(裏ごし器が便利)にあけて水気を切ります。
- 鍋に水を煮立て、塩と洗ったもちアワを入れて、よくかき混ぜながら煮ます。
- 水気がなくなり、木べらのあとが鍋底に残るくらいまで煮たら、ふたをしてとろ火で15分炊きます。
- 炊きあがったら火から下ろして、そのまま10分蒸らしてから大きくほぐします。
水を3カップにして炊くとクリーム状に炊ける。
10〜12倍の水加減でシチュー、14〜16倍の水加減でスープになる。
うるちアワやうるちキビは、ふんわりパラッと炊きあがるので、
ご飯代わりにはこのほうが食べやすいです。
クスクスとそっくりなのでシチューをかけたり、サラダにたっぷりと混ぜて楽しめます。
炒め物にまぶすのもグッド。炊き込みピラフもおいしくできます。
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